【 毛髪診断士監修 】育毛に効くツボはある？おすすめのツボや指圧のコツを紹介

ツボ押しに育毛効果はある？

育毛におすすめのツボを紹介する前に、そもそもツボがどのようなもので、どんな効果が期待できるのかについて知っておきましょう。

ツボは東洋医学的に経穴（けいけつ）と呼ばれています。東洋医学では気の流れが滞った場所=経穴に不調が起こると考えられており、解消するための手段としてツボ押し（指圧）や鍼灸が開発されました。
2006年にはWHO（世界保健機関）によってツボの位置に関する世界基準が定められるなど、ツボに対してアプローチする施術の有効性が認められつつあります。

習慣的に抜け毛予防や血行促進に関するツボ押しを頭皮マッサージと同時に行うことで、育毛をサポートする効果も期待できるのです。

育毛におすすめのツボ10選

抜け毛予防や血行促進が期待できるツボ10選をご紹介します。

自分でツボ押しできる場所ばかりなので、毎日ツボ押しする習慣を身につけることがおすすめです。

百会（ひゃくえ）

百会は頭の頂点にある「万能のツボ」として知られています。
頭痛や肩こり、目の疲れといった頭部周辺の不調を改善するだけでなく、自律神経のバランスを整える効果も期待されているため、髪の毛の成長をサポートする際にもおすすめのツボの1つです。

場所は両耳の頂点を結んだ線と、後頭部の中央から鼻とを結んだ線の交点に位置しています。
百会のツボを刺激する場合は両手で頭全体を包み込むようにするようにして、両方の中指で押圧（ツボを押すこと）すると効率的です。

通天（つうてん）

通天には白髪や抜け毛を減らす他、鼻詰まりや後頭部からうなじにかけての重圧感、偏頭痛、不眠などの不調を改善する効果が期待されています。
病院で検査をしても原因不明とされる一次性頭痛（緊張型頭痛や片頭痛）の改善にもおすすめのツボです。

通天のツボは、前述の百会から指の幅2本分斜め前に移動した両サイドにあります。百会と同様に頭全体を両手の指先でつかむようにして、中指の腹でツボ押しをすると効率的です。

天柱（てんちゅう）

天柱のツボは肩こりや首こり、緊張型頭痛の改善が期待できるだけでなく、精神的なストレスに対しても効果的です。

場所は首の後ろにある太い骨の両脇を上に辿り、生え際にぶつかった両サイドにあります。両手の親指の腹で押圧することがポイントです。両手の人差し指から小指を軽く開いて頭の上部を押さえ、天柱のツボを頭蓋骨に向かって押すイメージで刺激しましょう。

風池（ふうち）

風池のツボは、天柱とワンセットで紹介されることも多いツボです。
頭痛や肩こり、首こり、めまい、鼻づまり、目の疲れ、睡眠障害、耳閉感など顔や頭部の不調を改善するだけでなく、風邪にともなう諸症状の緩和効果も期待されています。
肩こりを改善することで血行を良くし、頭皮に栄養を行き渡りやすくすることが育毛のポイントです。

場所は首の後ろを上下に走る大きな筋肉を上に辿り、生え際にぶつかった両サイドにあります。天柱の場合と同様に両手の人差し指から小指を少し開いて頭の上部を押さえ、頭蓋骨に向かって押すようにしましょう。

完骨（かんこつ）

完骨のツボを押すと自律神経のバランスが整い、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促進されるため、不眠症にお悩みの方にもおすすめのツボです。
自律神経が整うことで、頭皮の血行不良が改善され、育毛にもつながります。

ツボは、両耳の後ろにある骨が出っ張った部分（乳様突起）の下部にあります。
解剖学的には胸鎖乳突筋の起始部に当たるため、心地よく刺激することで肩こりや頭痛を改善や、顎関節症の症状を緩和する効果も期待できます。

角孫（かくそん）

角孫のツボは頭痛のなかでも、後頭部から首の後ろにかけての重圧感が特徴の緊張型頭痛に効果的なツボとされています。
また、自律神経やホルモンバランスを整える効果も期待されており、頭部への血行不良にともなう抜け毛予防におすすめのツボです。

ツボは耳を前に倒したときに、耳の一番高い部分が触れる場所にあります。
ツボ押しをする時には両手の中指の腹をツボに当て、皮膚全体を動かすイメージで円を描くようにぐるぐると刺激しましょう。

瘂門（あもん）

瘂門には自律神経のバランスを整える作用が期待されており、育毛の効果が期待できます。その他、睡眠障害や高血圧、花粉症の方などにおすすめです。

瘂門の場所は後頭部のちょうど真ん中にある出っ張った骨（外後頭隆起）の1cmほど下にあるくぼみ部分にあります。
ツボを押す際には両手で耳を塞ぐような手の形をとり、両方の中指の腹で気持ちよく刺激しましょう。

風府（ふうふ）

風府は頭痛や首のコリ、眼精疲労などに効果的といわれています。首のコリを改善することで頭皮の血行が促進され、育毛の効果が期待できるでしょう。

ツボは、後頭部のちょうど真ん中にある出っ張った骨（外後頭隆起）の直下、瘂門の1cm上にあります。親指で首から頭頂部に向かって力を通すイメージで押し上げます。

合谷（ごうこく）

合谷は手にある有名なツボで、東洋医学では万能穴（ばんのうけつ）として知られています。
脱毛予防や頭皮トラブルの改善の他、頭痛、目の疲れ、肩こりなど頭や顔周辺の改善が期待されています。

合谷のツボは手の親指と人差し指の骨が交差する部分にあり、小指に向かって押圧することがポイントです。

関元（かんげん）

関元は全身の幅広い症状に活用されており、抜け毛や円形脱毛症にも効果的です。

ツボは、おへそから指の幅4本分下がった場所にあります。
関元のツボを押圧する際には、両手の中指の腹で優しく刺激し、強く押しすぎないよう注意しましょう。

ツボ押しのコツ

ツボ押しは誰でも簡単にできますが、以下の点に注意して行うことがポイントです。

ここでは、ツボ押しのコツを解説します。

指の腹で押す

ツボ押しをする際には、指の腹で行うことがポイントです。
爪を立てて押すと頭皮を傷つけ、かえって抜け毛のリスクを高める恐れがあるため注意しましょう。

指の腹をツボに対して垂直に当て、軽く皮膚を動かすイメージで押圧すると奥まで力が伝わりやすくなります。

1カ所5～10秒間指圧する

ツボ押しをする際には1カ所につき5～10秒ほど指圧しましょう。
5～10秒ほど指圧したらいったん力を抜き、再度押圧することを何度か繰り返します。次第にツボ周りの硬直が緩んでくれば上手に押圧できている証拠です。

毎日継続して行う

ツボ押しは毎日継続して行うこともポイントです。
ツボ押しは1回やったからといってすぐに効果が出るものではありません。毎日の習慣として、継続して行ってください。

ツボ押しで育毛をサポートしましょう

髪の毛を成長させるためには、毛細血管を通して栄養素を送り届ける必要があります。
ツボによっては頭皮マッサージのときに意識することで自律神経のバランスを整え、血液の循環を促進する作用など、頭皮に良い効果が期待できるため、育毛のサポートとして活用してください。
今回ご紹介したツボはどれも自分で簡単に押圧できます。毎日の習慣としてツボ押しを行なうことで、育毛効果が期待できるでしょう。

育毛以外の効果も期待できるため、自分の症状に応じたツボを覚えておき、仕事の合間などに刺激することもおすすめです。