ストレスによる抜け毛の特徴やメカニズム！対策方法や回復期間を紹介

ストレスで抜け毛が増えやすい人はどんな人？

ストレスは万病の元とよく言われます。以下に心当たりがある方はストレスを抱えがちの可能性があります。 髪の毛の成長にも悪影響をおよぼす可能性もあるため注意してください。

人間が生きていくうえでストレスは多かれ少なかれ生じるもの。しかし、上記のような方はうまくストレスを発散できずに抱え込んでしまい、結果として抜け毛につながる可能性があります。

ストレスによる抜け毛の特徴

抜け毛は誰にでも毎日のように見られる生理現象のようなものですが、ストレスによる抜け毛には通常の抜け毛とは異なる以下3つの特徴があります。

ここでは、ストレスが原因で起こる抜け毛の特徴について解説します。

本数：100本以上

1日あたり50本から100本の抜け毛は誰にでも見られる生理現象の一種です。
1日に50本から100本も髪の毛が抜けると聞くと驚かれるかもしれませんが、日本人の毛髪はおよそ10万本とされており、髪の毛全体からしたら0.05％～0.1％に過ぎません。

しかし、長期にわたり100本以上の抜け毛が見られる方は、ストレスにより抜け毛を引き起こしている可能性があります。
抜け毛を1本1本数えるのは大変なので、排水溝に詰まる髪の毛の量や、ドライヤーの後に床に散らばっている髪の毛が増えていないかチェックしてみましょう。

毛根：小さく形がいびつ

髪の毛は毛根部に存在する毛母細胞が分裂して成長しますが、 十分に成長して抜け落ちた髪の毛の根元はマッチ棒のように膨らんでいる点が特徴です。

一方、ストレスによって髪の毛の成長が滞り、十分に成長しないうちに抜け落ちた髪の毛は、毛根部が小さくいびつな形をしています。
また、自然に抜け落ちた髪の毛の根元には毛根鞘と呼ばれる半透明のゼリー状物質が付着していますが、ストレスによって抜け落ちた髪の毛には毛根鞘が見られません。

髪：細く短い

ストレスによって抜け落ちた髪の毛は十分に成長していないうちに抜け落ちるため、細くて短い傾向にあります。
以前と比べて細く短い抜け毛が増えているようであれば、ストレスによる抜け毛を起こしている可能性があります。

ストレスで抜け毛が増えるメカニズム

抜け毛はさまざまな原因により起こりますが、ストレスが原因の抜け毛は主に以下のメカニズムにより生じやすい傾向があります。

ここでは、ストレスで抜け毛が増えるメカニズムについて解説します。

自律神経が乱れる

自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されており、人間の生命活動のほぼすべてに関わっています。
不眠や睡眠の質の低下などのストレスよって自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位に傾いて血管が収縮し、全身の血液循環が悪化します。
髪の毛は毛細血管から栄養を受け取った毛母細胞が分裂して成長するため、血行不良が起こると髪の毛の成長に悪影響をおよぼし、結果として抜け毛のリスクが増加するのです。

ホルモンバランスが崩れる

女性ホルモンは脳からの指令によって分泌されますが、ストレスが蓄積すると脳の機能が低下するため、ホルモンバランスに乱れを生じやすいです。

女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されており、ストレスにより女性ホルモンの分泌量が減少すると、相対的に体内に占める男性ホルモンの量が増加します。
その結果、男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロンが頭皮に作用してヘアサイクルを乱してしまうのではないかと考えられています。

なお、出産後の女性や更年期の女性に抜け毛が増えるのは、女性ホルモンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの量が増加するためです。
出産後の女性に見られる一時的な抜け毛量の増加を専門的に分娩後脱毛症と呼んでおり、半数以上の女性が産後の抜け毛に悩まされるといった報告も多数見られます。

自己免疫疾患を誘因する

ストレスで抜け毛が増えるメカニズムの1つが、自己免疫疾患を誘因しやすくなる点です。
自己免疫疾患を引き起こす原因は明かにされていませんが、ストレスが何らかの形で関わっているのではないかと考えられています。

自己免疫疾患は本来であれば外部の侵入者から身体を守るべき免疫細胞により、自分の細胞が攻撃される疾患です。
例えば自己免疫疾患により円形脱毛症を発症すると、免疫細胞によって自分の毛包が攻撃されるため、抜け毛の量が急激に増加します。

円形脱毛症を誘引する可能性を持つ自己免疫疾患としては以下の例が挙げられます。

ストレス抜け毛の対策方法

ストレスにより抜け毛が増えていると感じている方は、以下の対策を行うのがおすすめです。

ここでは、ストレス抜け毛の対策方法をご紹介します。

ストレスを発散する

ストレスによる抜け毛がある方は、根本的な原因となるストレスを発散する必要があります。
ストレスの発散法としては以下の例が挙げられます。

ストレスの発散法は人によりさまざまなため、上記の例を参考に自分に合ったストレス発散法を実践しましょう。
ただし、暴飲暴食やたばこなどでストレスを発散すると生活習慣の乱れにより、かえって抜け毛が増える恐れがあります。健康に気を遣いつつ、ストレスを発散してください。

生活習慣を整える

健康な体や髪の毛を作るためには、バランスのとれた食事と良質な睡眠が欠かせません。
毎日決まった時間に栄養バランスのとれた食事を摂るよう意識し、早寝早起きを心がけましょう。

就寝前までスマホやテレビなどの明るい画面を見ていると、脳が興奮状態に陥り睡眠の質が低下します。起床時間からおよそ14時間～15時間が経過したら、部屋の照明を落としてリラックスするのがポイントです。

ヘアケアで頭皮環境を整える

抜け毛対策には、ヘアケアにより頭皮環境の改善に取り組むのも大切なポイントです。
頭皮や髪の毛への刺激が少ないアミノ酸系シャンプーや薬用シャンプーでヘアケアを行い、洗髪後には保湿剤や育毛剤で頭皮の保湿を行いましょう。

頭皮への血行を促進し、髪の毛の成長をサポートするためには、以下の手順で頭皮マッサージを行うのも効果的です。

ストレスによる抜け毛に関するよくある質問

ストレスによる抜け毛に関しては、以下2つの質問が多く寄せられています。

ここでは、ストレスによる抜け毛に関して多く寄せられている質問にお答えします。

ストレスによる抜け毛が回復するまでの期間は？

ストレスによる抜け毛が回復するまでの期間は人により異なります。
ストレスに対する耐性やヘアサイクルは個人により異なるため、「〇ヶ月で治ります」とは言えません。
一般的には薄毛治療を始めて効果が出るまでに半年から1年かかるため、ストレスによる抜け毛に関しても根気強く回復に取り組む必要があると言えるでしょう。

ストレスによる抜け毛が改善しないときは？

ストレスによる抜け毛が改善しない方は、何らかの脱毛症を発症している可能性があるため、早めに専門にクリニックを受診してください。

遺伝が主な原因で起こる男性の抜け毛とは異なり、女性の抜け毛や薄毛は複数の要因が複雑に絡み合って起こる傾向にあります。
そのため、専門家による診察や検査を受け、抜け毛の原因を突き止める必要があるのです。

抜け毛はストレスによって増えることがあります

女性の抜け毛の増加はさまざまな原因によって起こりますが、ストレスによって増える可能性もあります。
普段からストレスの自覚があり、短くて細い抜け毛の量が増えている方は、今回の記事を参考に改善を図ってみて下さい。
セルフケアではストレスによる抜け毛が改善しないようであれば、一度専門のクリニックで見てもらうのがおすすめです。