産後のひどい抜け毛はいつからいつまで?抜け毛が増える原因と対策方法
掲載日:2024.04.18 更新日:2024.04.18
出産を終えた女性のなかには「急に抜け毛の量が増えてきた」「このまま薄毛になってしまうのではないか」と心配する人も多いです。この記事では、女性特有の産後のひどい抜け毛が起こる原因や治まる時期、対策方法などについて解説します。抜け毛にお悩みの産後の女性は参考にしてください。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
産後のひどい抜け毛はいつからいつまで?
産後の抜け毛は出産から2ヶ月~3ヶ月ごろから起こり始め、半年から1年程度続く傾向にあります。
産後の女性に見られる一時的な抜け毛量の増加は分娩後脱毛症と呼ばれます。病的な抜け毛でなく一時的な身体のバランスの変化なので過度に心配する必要はありません。
なぜ?産後に抜け毛が増える原因
子どもの誕生を喜んでいたら抜け毛が増えて驚いたという経験をお持ちの女性は多いですが、主な原因として以下が挙げられます。
- ホルモンバランスの変化
- ストレス
- 栄養不足
はじめに、産後に抜け毛が増える主な原因について解説します。
ホルモンバランスの変化
産後の女性に多く見られる一時的な抜け毛量の増加の原因として、ホルモンバランスの変化が挙げられます。
妊娠中の女性の体内では、女性ホルモンの一種であるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が増加します。エストロゲンには髪の毛のハリやコシを生み出す働きがあり、プロゲステロンにはヘアサイクルの成長期を維持するはたらきがあります。
そのため、妊娠中の女性のなかには「髪の毛全体のボリュームがアップした」「抜け毛の量が減った」と感じる方が少なくありません。
しかし、出産を終えると盛んに分泌されていた女性ホルモンの量が激減するため、ヘアサイクルの退行期・休止期が早く訪れて抜け毛の量が増える結果となります。
ただし、女性ホルモンの分泌量は出産が原因で減少したのではなく、妊娠以前の状態に戻っただけです。
そのため、時間が経過すればヘアサイクルは妊娠以前の状態に戻るため、髪の毛の量やボリュームも次第に回復します。
ストレス
赤ちゃんの成長はお母さんにとって嬉しいものですが、一方で少なからず心身に負担がかかるのも事実です。ストレスによって抜け毛が増えてしまうこともあるでしょう。
特に初めて出産された方は赤ちゃんが泣き止まなかったり、夜中に起こされたりして睡眠不足に陥りがちです。
睡眠不足に陥ると夜間に分泌される成長ホルモンの分泌量が減少し、毛母細胞の分裂が鈍くなるため、産後の抜け毛に拍車を掛ける結果となります。
栄養不足
生まれたばかりの赤ちゃんには朝晩の区別がなく、お腹が空いたと言っては泣き、オムツが汚れたと言っては泣くため、産後のお母さんはゆっくりと食事をする時間もありません。
次第に自分の食事は簡単に済ませて赤ちゃんに母乳をあげていると、気づかないうちに栄養不足に陥る傾向にあります。
栄養不足状態が続くと髪の毛が成長するためのエネルギーが減少し、髪の毛全体のボリュームが減少したり、抜け毛の量が増えたりする結果となります。
産後の抜け毛の対策方法
産後の抜け毛は女性の多くが経験しますが、できるだけ早く改善したい方は以下を取り組んでみて下さい。
- しっかり食事を摂る
- できるだけ睡眠時間を確保する
- 肌に優しいシャンプーを使用する
ここでは、産後の抜け毛が起こった際の対策方法について解説します。
しっかり食事を摂る
髪の毛は日常の食事から摂取する栄養素が元となって作られるため、産後の抜け毛を改善するためにもしっかりと食事を摂りたいものです。
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られるため魚やお肉、大豆、鶏卵など高タンパクの食品を食事に取り入れましょう。
ターンオーバーの周期を正常化させるためには、代謝を促進する働きが期待できるビタミンB群の摂取も効果的です。
頭皮へとスムーズに栄養を送り届けるのであれば、ビタミンCやビタミンEなど血行促進作用のある栄養素を摂取する必要があります。
また、大豆に含まれるイソフラボンには、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きがあるので、産後の抜け毛が気になる女性には特におすすめです。
できるだけ睡眠時間を確保する
睡眠時間の減少や睡眠の質の低下は、成長ホルモンの分泌量減少や自律神経の乱れを招き、抜け毛のリスクを高めるため、できるだけ睡眠時間を確保し、心身の疲労を回復させる必要があります。
育児中はついつい自分の健康を後回しにしてしまいがちですが、お母さんが倒れては育児に支障が出るため本末転倒の結果となりかねません。
「自分の睡眠も育児には必要」と割り切って考え、眠いときにはパートナーや家族に赤ちゃんを見てもらうことも重要です。
肌に優しいシャンプーを使用する
肌への刺激が強いシャンプーは頭皮にダメージを与え、抜け毛を悪化させる恐れがあります。
シャンプーのなかには洗浄力が強いものもあり毎日のシャンプーが頭皮にとっては負担となっているケースも少なくありません。
産後の抜け毛が目立つ時期には、アミノ酸系の薬用シャンプーなど、頭皮のことを考えたアイテムを使用するのがおすすめです。
いますぐ!抜け毛をカバーする方法
産後の抜け毛はおよそ半年から1年で治まるのが一般的ですが、それまでは以下の方法でカバーするのがおすすめです。
- ヘアスタイルを変える
- 帽子やヘアバンドでカバーする
ここでは、今すぐできる抜け毛をカバーする方法を紹介します。
ヘアスタイルを変える
産後の抜け毛で地肌が目立つ方は、ヘアスタイルを変えて対処してみましょう。
特にロングヘアの方は髪の重さで地肌が目立ちやすくなるため、思い切ってショートカットにする方法があります。
分け目部分の地肌が目立つ方は、分け目を変えたりゆるふわパーマでボリュームをだしたりすると良いでしょう。
帽子やヘアバンドでカバーする
額の生え際や頭頂部の薄毛が目立つ方は、ヘアバンドでおでこを隠しながらトップのボリュームを出す方法があります。
全体的に地肌が目立つ方は、帽子をかぶってカバーするのもよいでしょう。
ただし、帽子をかぶっている時間が長いと、蒸れて頭皮環境を悪化させる可能性もあるため、通気性のよい商品を選ぶなどの工夫が必要です。
産後の抜け毛に関するよくある質問
産後の抜け毛に関しては、以下の疑問を持つ方は多いです。
- 産後に抜け毛がない人もいる?
- 母乳をあげると抜け毛が増える?
- 産後一年経っても抜け毛が治まらないときは?
ここでは、産後の抜け毛に関してよくある質問にお答えします。
産後に抜け毛がない人もいる?
抜け毛は1日に50本から100本見られるのは当然のため、産後に抜け毛がない人はいません。
ただ、産後に特に抜け毛の量が増えたとは感じない方がいるのも事実です。
産後のホルモンバランスの変化は誰にでも起こりますが、ストレスや睡眠不足の有無が抜け毛の量を増減させる可能性があります。
母乳をあげると抜け毛が増える?
母乳をあげると抜け毛が増えると言われるケースもありますが、医学的根拠はありません。
確かに母乳はお母さんの血液から作られますが、母乳育児をしている女性でも産後脱毛症を発症しない方はいます。
産後脱毛症の多くはホルモンバランスの変化が原因なので、赤ちゃんに与える母乳を控える必要はありません。
産後一年経っても抜け毛が治らないときは?
産後一年経っても抜け毛が治まらない方は、産後脱毛症以外の脱毛症を発症している可能性があります。
産後脱毛症以外に考えられる脱毛症としては粃糠性脱毛症やFAGA、びまん性脱毛症、牽引性脱毛症など多くの例が挙げられます。
女性の抜け毛はさまざまな要素が複雑に絡み合い発症するケースが多いため、まずは専門のクリニックを受診して原因を特定するのが重要です。
産後に抜け毛があっても1年ほどで元の毛量に戻ります
産後に一時的に抜け毛が増える症状は、専門的に分娩後脱毛症と呼ばれています。
分娩後脱毛症は主にホルモンバランスの変化によって起こりますが、1年ほどで元の毛量に戻るのが一般的です。
1年を過ぎても抜け毛が治まらないときは、分娩後脱毛症以外の脱毛症を発症している可能性もあるため、専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
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よくある質問
女性の薄毛の原因はさまざまですが、主に加齢・女性ホルモンの減少・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。いくつかの原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の薄毛の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いです。まず、病院で原因を詳しく調べてもらう事が、薄毛の原因を知るためには大切です。
髪の毛はもともとケラチンとたんぱく質から成ります。過度のダイエットにより、毛や爪など皮膚の最外層を形成している角層の合成に不可欠な微量金属の、腸からの吸収ができなくなります。そうすると、毛は伸びない、爪も伸びず、薄くやわらかくなります。皮膚もカサカサになって、輝きがなくなります。上記のように、過度のダイエットで体内だけでなく髪にも栄養が行き渡らなくなり、その結果として抜け毛がおこり、髪が細くなる(薄毛になる)といった症状が現れる場合があります。
妊娠中は出産準備のために分泌される女性ホルモンの影響で、成長期が終わるはずの髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなります。しかし、出産後はホルモンのバランスが急激に通常の状態に戻ります。そのため、寿命が延長されていた毛髪が突然休止期に入ることにより、一時的に抜け毛が多くなります。これは出産後約6ヶ月を過ぎると、徐々に回復していくようになります。
遺伝的要素は誰にでもあります。実際に「薄毛」が遺伝するのではなく、「薄毛」になりやすい体質が遺伝し、その家系の生活習慣などが遺伝的要素として影響する(薄毛になる)と言われています。
現在のところ円形脱毛症の原因ははっきりとしていません。原因としては、「自己免疫疾患」、「精神的ストレス」、「内分泌異常」、「遺伝的素因」等が考えられます。「自己免疫疾患」という説が有力ですが、精神的ストレスがきっかけの誘因になるのかもしれません。自己免疫は、外部からの侵入物を攻撃することにより、私達の身体を守っています。自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症においては、Tリンパ球が毛根を外敵と間違えて誤った攻撃命令を出すことによって起きるとされています。「T リンパ球」とは、体の中に侵入してきた有害な細菌やウィルスといった外敵を身体の細胞と区別して命令を出す細胞です。一度攻撃が始まってしまうと、多くの Tリンパ球が毛根に集まり激しい攻撃を繰り広げます。そのため毛根が破壊され、正常で元気な女性の髪の毛でさえ、突然抜け落ちてしまいます。
育毛剤の使用や、パーマでボリュームを出したり、カラーリングなどで目立たなくする事は可能です。薄毛の場合は原因にもよりますが、加齢によるものや、ホルモンバランスの変化などは、円形脱毛症とは違いますから自然と治る事はまず無いと考えて、専門医師の受診をお勧めします。
筋肉が凝って硬くなると、周辺の血液の流れが悪くなり髪に必要な栄養分がきちんと行き渡らなくなります。その結果、血行不良を起こし、薄毛や抜け毛をまねきますので軽い運動やストレッチで血行を良くするように心がけましょう。
まずは加齢現象の一つと思ってください。髪の毛は毛球のなかにある毛乳頭細胞でつくられています。そのなかには髪の毛の色を決める色素細胞が含まれています。この色素細胞でつくられたメラニン色素が、毛の中に送り込まれ髪の毛に色がつきます。ところが、色素細胞の加齢現象により機能が低下し時には消失してしまいます。そうすると色素を持たない髪の毛が白髪になると言われています。
パーマ、カラーリングともに、いくら技術が進歩したとはいえ髪にダメージを与えます。そして抜け毛の原因となるのが、パーマ液や毛染め剤が頭皮にもたらす影響です。髪の傷み自体は抜け毛の直接の原因にはなりませんが、痛んだ頭皮が髪に悪影響を与え、抜け毛の原因につながることがあります。
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