女性に短い抜け毛が増える原因は?予防方法と短い抜け毛が増える脱毛症
掲載日:2024.04.18 更新日:2024.04.18
抜け毛が短い方は何らかの脱毛症を発症している可能性もあるため、注意して経過を見守る必要があります。この記事では、女性に短い抜け毛が増える原因や疑われる脱毛症、および予防法について解説します。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
短くて細い抜け毛は薄毛の前兆?
短い抜け毛が増えている女性は、何らかの原因によりヘアサイクルの成長期が短縮し、髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちている可能性が疑われます。
ヘアサイクルは大きく分けると以下の3期があります。
- 成長期…毛母細胞が活発に分裂して髪の毛が太く・長く成長する時期。ヘアサイクル全体のおよそ85%~90%を占める
- 退行期…毛母細胞の分裂が滞り、髪の毛の成長が鈍くなる時期。ヘアサイクル全体のおよそ1%を占める
- 休止期…毛母細胞の分裂が完全に停止し、髪の毛が抜け落ちるのを待つ時期。ヘアサイクル全体のおよそ10%~15%を占める
ヘアサイクルは髪の毛1本1本につき異なりますが、成長期が短縮されると薄毛のリスクが高くなります。
短い抜け毛が増える原因
女性に短い抜け毛が増えるのはヘアサイクルが乱れて成長期が短くなるためですが、ヘアサイクルが乱れる原因としては以下が挙げられます。
- ホルモンバランスの乱れ
- 自律神経の乱れ
- 生活習慣の乱れ
ここでは、短い抜け毛が増える原因を紹介します。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンには、髪の毛の成長をサポートする重要な働きがあります。
- エストロゲン…髪の毛のハリやコシを生み出す
- プロゲステロン…ヘアサイクルの成長期を維持する
ストレスなどが原因でホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンの分泌量が減少し、ヘアサイクルの成長期が短縮されます。
ヘアサイクルの成長期が短縮されると、髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちるため、短い抜け毛が増えるわけです。
また、女性ホルモンの分泌量が減少すると、相対的に体内の男性ホルモンの割合が増加するため、抜け毛を引き起こしやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されており、人間の生命活動のほぼすべてに関わっています。暑さ寒さに応じて体温を調整するのも、食べたものを消化・吸収するのも自律神経の働きです。
爪や髪の毛が伸びるのも自律神経の働きによるため、自律神経のバランスが乱れると髪の毛の成長にも悪影響をおよぼし、短い抜け毛が増えるリスクを増加させます。
自律神経のバランスが乱れる原因は不眠や睡眠の質の低下、ストレス、寒暖差、ホルモンバランスの変化などさまざまです。
生活習慣の乱れ
ヘアサイクルは睡眠不足や疲労状態の継続、喫煙習慣、過度の飲酒、偏った栄養バランスの食事など、生活習慣により乱されるケースも少なくありません。
たとえば食生活が乱れ脂質が多い肉やジャンクフードばかりを食べていると、過剰に皮脂が分泌され頭皮環境が悪化します。
また、喫煙や過度の飲酒、偏った栄養バランスの食事などが原因で血行不良が起こると、ターンオーバーに必要な栄養が不足し、結果として抜け毛を引き起こすこともあります。
短い抜け毛を予防する方法
女性の短い抜け毛は主にヘアサイクルの乱れがもたらすため、以下の方法でヘアサイクルを正常化させるのが大切です。
- ストレスを発散する
- 睡眠時間を確保する
- 栄養バランスのいい食事を摂る
ここでは、女性の短い抜け毛を予防する方法について解説します。
ストレスを発散する
ストレスはさまざまな身体的・精神的不調の危険因子ですが、自律神経やホルモンバランスを乱して短い抜け毛を増やす原因の1つでもあります。
そのため、ストレスの自覚がある方もない方も、定期的にストレスの発散に取り組むのが大切です。
ストレスの発散法は人によりさまざまなので、自分に合った方法を見つけて定期的に実践しましょう。
睡眠時間を確保する
自律神経を整えるには、毎日の睡眠が欠かせません。また、夜間に分泌される成長ホルモンは、深い睡眠であるノンレム睡眠の際に分泌が促進されます。
そのため、1日6時間から7時間程度の睡眠時間を確保しつつ、睡眠の質を高めるのがポイントです。睡眠の質を高めるためには可能な限り早寝早起きをし、日中に適度に身体を動かすのがおすすめです。
栄養バランスのいい食事を摂る
髪の毛は食事で摂取した栄養素から作られるため、日頃から栄養バランスのいい食事を摂るよう心がけましょう。
特に髪の毛を作る元となるタンパク質や、アミノ酸をケラチンへと再合成する亜鉛は欠かせません。
また、頭皮環境を整えターンオーバーを正常に保つため、ビタミン群やミネラルも積極的に取り入れましょう。
細く短い抜け毛は脱毛症のサインかも
1日に細く短い抜け毛が100本以上見られる方は、以下の脱毛症を発症している可能性もあるため注意してください。
- びまん性脱毛症
- 粃糠性脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 円形脱毛症
ここでは、細く短い抜け毛が多く見られる際に考えられる脱毛症について解説します。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は女性に見られる特徴的な脱毛症の1つです。
男性の薄毛のように局所が禿げあがるのではなく、髪の毛全体のボリュームが減少し、地肌が透けて見えるようになる点が特徴です。
びまん性脱毛症にはホルモンバランスの変化やストレス、過度のダイエット、誤ったヘアケアなど多くの原因が関与しています。
セルフケアで細く短い髪の毛が減らない方は、専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
粃糠性脱毛症
粃糠性脱毛症は大量に発生したフケが毛穴をふさぎ、炎症を起こして抜け毛が増える脱毛症です。
主な原因としては乾燥や肌質に合っていないシャンプーなどによる頭皮環境の悪化が挙げられます。
細く短い抜け毛に加えて頭皮のかゆみや赤み、大量のフケが見られる方は専門医の診察を受けてください。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、炎症性皮膚疾患の一種である脂漏性皮膚炎にともなう抜け毛です。
脂漏性皮膚炎が直接的に抜け毛を引き起こすわけではありませんが、頭皮環境の悪化が続くと抜け毛のリスクも増加します。
いったん発症すると慢性的に経過をたどる例が多く、自然治癒が期待できないのも厄介な点です。
脂漏性皮膚炎は過剰な皮脂の分泌による発症リスクが増加するため、普段から油分の多い食事を控えるのがポイントです。
円形脱毛症
円形脱毛症は突然まとまった範囲の髪の毛が抜け落ちる脱毛症です。
コイン大の脱毛斑が1箇所できるケースもあれば、広範囲にわたり抜け毛が起こるケースもあります。
はっきりとした原因は判明していませんが、自己免疫疾患の異常やストレスが関わっている可能性があります。
軽症例の円形脱毛症では1年以内におよそ8割が改善するとされますが、再発する可能性が高く、症状が悪化するにつれ治癒率が低下。ある日突然まとまった量の髪の毛が抜け落ちるようであれば、早めに専門医の診察を受けてください。
短い抜け毛が増えたら生活習慣を見直そう
女性に短い抜け毛が増える原因としては、ホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れ、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
そのため、普段からストレスを適度に発散して自律神経のバランスを整え、髪の毛の成長に必要な栄養素を摂取するのが欠かせません。
セルフケアで抜け毛の改善が見られない方は何らかの脱毛症を発症している可能性もあるため、なるべく早めに専門医の診察を受けてください。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
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よくある質問
女性の薄毛の原因はさまざまですが、主に加齢・女性ホルモンの減少・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。いくつかの原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の薄毛の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いです。まず、病院で原因を詳しく調べてもらう事が、薄毛の原因を知るためには大切です。
髪の毛はもともとケラチンとたんぱく質から成ります。過度のダイエットにより、毛や爪など皮膚の最外層を形成している角層の合成に不可欠な微量金属の、腸からの吸収ができなくなります。そうすると、毛は伸びない、爪も伸びず、薄くやわらかくなります。皮膚もカサカサになって、輝きがなくなります。上記のように、過度のダイエットで体内だけでなく髪にも栄養が行き渡らなくなり、その結果として抜け毛がおこり、髪が細くなる(薄毛になる)といった症状が現れる場合があります。
妊娠中は出産準備のために分泌される女性ホルモンの影響で、成長期が終わるはずの髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなります。しかし、出産後はホルモンのバランスが急激に通常の状態に戻ります。そのため、寿命が延長されていた毛髪が突然休止期に入ることにより、一時的に抜け毛が多くなります。これは出産後約6ヶ月を過ぎると、徐々に回復していくようになります。
遺伝的要素は誰にでもあります。実際に「薄毛」が遺伝するのではなく、「薄毛」になりやすい体質が遺伝し、その家系の生活習慣などが遺伝的要素として影響する(薄毛になる)と言われています。
現在のところ円形脱毛症の原因ははっきりとしていません。原因としては、「自己免疫疾患」、「精神的ストレス」、「内分泌異常」、「遺伝的素因」等が考えられます。「自己免疫疾患」という説が有力ですが、精神的ストレスがきっかけの誘因になるのかもしれません。自己免疫は、外部からの侵入物を攻撃することにより、私達の身体を守っています。自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症においては、Tリンパ球が毛根を外敵と間違えて誤った攻撃命令を出すことによって起きるとされています。「T リンパ球」とは、体の中に侵入してきた有害な細菌やウィルスといった外敵を身体の細胞と区別して命令を出す細胞です。一度攻撃が始まってしまうと、多くの Tリンパ球が毛根に集まり激しい攻撃を繰り広げます。そのため毛根が破壊され、正常で元気な女性の髪の毛でさえ、突然抜け落ちてしまいます。
育毛剤の使用や、パーマでボリュームを出したり、カラーリングなどで目立たなくする事は可能です。薄毛の場合は原因にもよりますが、加齢によるものや、ホルモンバランスの変化などは、円形脱毛症とは違いますから自然と治る事はまず無いと考えて、専門医師の受診をお勧めします。
筋肉が凝って硬くなると、周辺の血液の流れが悪くなり髪に必要な栄養分がきちんと行き渡らなくなります。その結果、血行不良を起こし、薄毛や抜け毛をまねきますので軽い運動やストレッチで血行を良くするように心がけましょう。
まずは加齢現象の一つと思ってください。髪の毛は毛球のなかにある毛乳頭細胞でつくられています。そのなかには髪の毛の色を決める色素細胞が含まれています。この色素細胞でつくられたメラニン色素が、毛の中に送り込まれ髪の毛に色がつきます。ところが、色素細胞の加齢現象により機能が低下し時には消失してしまいます。そうすると色素を持たない髪の毛が白髪になると言われています。
パーマ、カラーリングともに、いくら技術が進歩したとはいえ髪にダメージを与えます。そして抜け毛の原因となるのが、パーマ液や毛染め剤が頭皮にもたらす影響です。髪の傷み自体は抜け毛の直接の原因にはなりませんが、痛んだ頭皮が髪に悪影響を与え、抜け毛の原因につながることがあります。
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