女性ホルモンと髪の密接な関係とは?薄毛や抜け毛の予防と対策
掲載日:2020.10.14 更新日:2020.11.21
女性ホルモンは女性の健康維持に重要な役割を果たしますが、髪に対しても例外ではありません。女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、不足するとヘアサイクルに悪影響を及ぼすことも。そこで今回は女性ホルモンと髪の関係と、日常でできる薄毛対策をご紹介します。ホルモンと髪の関係性を知って、太くツヤのある健康な髪を育てましょう。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
女性ホルモンと髪の関係
女性の薄毛の原因はさまざまですが、その1つに女性ホルモンとの関係があります。女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、このうちエストロゲンが髪の健康やツヤを保つのに影響すると言われています。
髪の毛の成長を促し、髪自体の太さやヘアサイクルに働きかけるとして注目されているエストロゲン。では、どのように作用していくのかを見ていきましょう。
女性ホルモンの分泌量は年齢によって変化
女性の薄毛は更年期以降に目立ち始めますが、これは加齢によってホルモンバランスが乱れ始めるためと考えられています。
女性のホルモンバランスは年齢によって変動し、10代後半から30代をピークに減少をはじめ、閉経が近づくと血中濃度が大きく下がり始めます。
女性ホルモン自体が髪の毛の成長に関わっていること、男性ホルモンの割合が相対的に増加してしまい、AGA(男性型脱毛症)と同様の仕組みが起こってしまうことが抜け毛へと繋がる原因に。
また、産後に抜け毛が目立ち始めることがあります。これは妊娠中に女性ホルモン分泌量が増加し、抜けにくくなっていた髪の毛が産後、女性ホルモンのバランスが元に戻るためと言われています。これを出産後脱毛と呼びますが、自然現象で一時的なもののため、多くの人は時間がたてば元に戻ります。
女性ホルモンは髪の成長に影響
女性ホルモンはヘアサイクル(毛周期)に密接に関わっていることが指摘されてきました。ヘアサイクルとは髪の毛が生え始めてから抜け落ちるまでの周期のことで、「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルからなっています。
毛髪のほとんどは成長期に当たり、3~7年ほど成長し続ける期間にあります。退行期で髪の成長が止まり、休止期に入ると新しい毛をはやすために脱毛が起こります。
女性ホルモンは退行期や休止期を抑制する作用があると考えられており、女性ホルモンが減少してしまうと、このサイクルに乱れが生じます。
その結果、ハリやコシがない柔らかい髪の毛が増えてしまう、抜け毛が目立つようになるなどの弊害をもたらしてしまうことに。
女性の薄毛は頭頂部や全体にかけて徐々に薄くなることが多いと言われていますが、これは成長期の髪の毛が減少することで起こっていると考えられます。
女性のホルモンバランスが乱れる原因
女性のホルモンバランスは以下のような要因で乱れる場合があります。
- 産後
- 加齢
- 無理なダイエット
- 生活習慣
女性ホルモンの分泌量はさまざまな要因で減少してしまいます。主なものとして出産や加齢が挙げられますが、生活習慣によっては若年層でも例外ではありません。無理なダイエットや睡眠不足などのストレスで自律神経が乱れたり、食生活や代謝などの日常生活の習慣の乱れでもバランスが崩れたりしてしまうことがわかっています。
女性ホルモンが正常に分泌されない場合、FAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれる脱毛症を引き起こしてしまうこともあります。
女性ホルモンのバランスを整えて健康的な髪へ!薄毛対策
ホルモンバランスを整えるにはどのようなことをすればよいのでしょうか?自宅でもできる改善方法をご紹介します。
- 食生活を改善する
- 生活習慣を見直す
- 積極的に運動する
- 過度なダイエットを控える
1.食生活を改善する
女性ホルモンの分泌量自体を増やすことはできませんが、食生活によって整えることは可能です。女性ホルモンのもとになるコレステロールを補うため、肉や魚などの動物性たんぱく質を摂るのがおすすめです。
また、大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをし、髪や肌の健康を保つ効果が期待されています。豆腐や味噌、納豆などで日常生活に大豆を取り入れてみましょう。
大豆イソフラボンは腸内細菌によってエクオールという物質に変換されます。エクオールは大豆イソフラボン以上に女性ホルモンに似た働きをすると言われています。
食べ物で取りづらい場合は、サプリメントで摂取するのもよいでしょう。
2.生活習慣を見直す
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こしてしまい、女性ホルモンの分泌にも良くありません。質の良い睡眠をとるために、寝る前に食事を控える、湯船につかってリラックスするなどして、入眠環境を整えることをおすすめします。
また、睡眠中には髪の成長を助ける成長ホルモンが分泌されます。夜22時~2時にかけて多く分泌されると言われているため、この時間帯に睡眠をとることが好ましいでしょう。
3.積極的に運動する
適度な運動によって身体の血行や新陳代謝を整えることができます。血行は毛根に栄養を届ける際にも重要なため、薄毛にも良い影響が見込めるでしょう。
運動時間を取ることが難しい場合は、軽いウォーキングやストレッチなど、簡単にできるものを取り入れることから始めましょう。リラックスできる程度の運動で自律神経を整え、ストレスを解消することが大切です。
4.過度なダイエットを控える
過度なダイエットは心身の負担が大きく、女性ホルモンの分泌を妨げてしまいます。ひどい場合には生理が遅れてしまうなどの症状も。ダイエットをする場合は、無理のない範囲で適切な方法で行うことをおすすめします。
女性ホルモンは髪の健康に欠かせない要素
女性ホルモンのバランスが乱れると、髪の毛が細くなり脱毛してしまうことがあります。一度細くなった髪の毛を戻すのは難しいですが、食生活や生活習慣、頭皮環境をしっかりケアしてあげることで予防することが可能です。
大切なのは、女性ホルモンを増やすことはできないということ。そのため、バランスを整えてコントロールすることが重要になってきます。
食生活や習慣を見直すことで、ホルモンバランスだけでなく、髪の成長や頭皮の血行を改善するなどの嬉しいメリットもあります。
過度なストレスやダイエットなどは控えて、体に良い成分をバランスよく摂取することを心掛けるようにしましょう。
- この記事の監修
日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
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薄毛・抜け毛・切れ毛の
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よくある質問
女性の薄毛の原因はさまざまですが、主に加齢・女性ホルモンの減少・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。いくつかの原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の薄毛の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いです。まず、病院で原因を詳しく調べてもらう事が、薄毛の原因を知るためには大切です。
髪の毛はもともとケラチンとたんぱく質から成ります。過度のダイエットにより、毛や爪など皮膚の最外層を形成している角層の合成に不可欠な微量金属の、腸からの吸収ができなくなります。そうすると、毛は伸びない、爪も伸びず、薄くやわらかくなります。皮膚もカサカサになって、輝きがなくなります。上記のように、過度のダイエットで体内だけでなく髪にも栄養が行き渡らなくなり、その結果として抜け毛がおこり、髪が細くなる(薄毛になる)といった症状が現れる場合があります。
妊娠中は出産準備のために分泌される女性ホルモンの影響で、成長期が終わるはずの髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなります。しかし、出産後はホルモンのバランスが急激に通常の状態に戻ります。そのため、寿命が延長されていた毛髪が突然休止期に入ることにより、一時的に抜け毛が多くなります。これは出産後約6ヶ月を過ぎると、徐々に回復していくようになります。
遺伝的要素は誰にでもあります。実際に「薄毛」が遺伝するのではなく、「薄毛」になりやすい体質が遺伝し、その家系の生活習慣などが遺伝的要素として影響する(薄毛になる)と言われています。
現在のところ円形脱毛症の原因ははっきりとしていません。原因としては、「自己免疫疾患」、「精神的ストレス」、「内分泌異常」、「遺伝的素因」等が考えられます。「自己免疫疾患」という説が有力ですが、精神的ストレスがきっかけの誘因になるのかもしれません。自己免疫は、外部からの侵入物を攻撃することにより、私達の身体を守っています。自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症においては、Tリンパ球が毛根を外敵と間違えて誤った攻撃命令を出すことによって起きるとされています。「T リンパ球」とは、体の中に侵入してきた有害な細菌やウィルスといった外敵を身体の細胞と区別して命令を出す細胞です。一度攻撃が始まってしまうと、多くの Tリンパ球が毛根に集まり激しい攻撃を繰り広げます。そのため毛根が破壊され、正常で元気な女性の髪の毛でさえ、突然抜け落ちてしまいます。
育毛剤の使用や、パーマでボリュームを出したり、カラーリングなどで目立たなくする事は可能です。薄毛の場合は原因にもよりますが、加齢によるものや、ホルモンバランスの変化などは、円形脱毛症とは違いますから自然と治る事はまず無いと考えて、専門医師の受診をお勧めします。
筋肉が凝って硬くなると、周辺の血液の流れが悪くなり髪に必要な栄養分がきちんと行き渡らなくなります。その結果、血行不良を起こし、薄毛や抜け毛をまねきますので軽い運動やストレッチで血行を良くするように心がけましょう。
まずは加齢現象の一つと思ってください。髪の毛は毛球のなかにある毛乳頭細胞でつくられています。そのなかには髪の毛の色を決める色素細胞が含まれています。この色素細胞でつくられたメラニン色素が、毛の中に送り込まれ髪の毛に色がつきます。ところが、色素細胞の加齢現象により機能が低下し時には消失してしまいます。そうすると色素を持たない髪の毛が白髪になると言われています。
パーマ、カラーリングともに、いくら技術が進歩したとはいえ髪にダメージを与えます。そして抜け毛の原因となるのが、パーマ液や毛染め剤が頭皮にもたらす影響です。髪の傷み自体は抜け毛の直接の原因にはなりませんが、痛んだ頭皮が髪に悪影響を与え、抜け毛の原因につながることがあります。
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