フケはストレスで増える!大量にでる原因と病気&抜け毛を引き起こす可能性
掲載日:2025.01.21 更新日:2025.01.21

ストレスはフケの原因のひとつです。ストレスにより血行不良や皮脂の過剰分泌が起こると、かさかさしたフケ・ベタベタしたフケなど、さまざまなタイプのフケが出やすくなります。この記事ではストレスでフケが増えるメカニズムや治し方、および病気の可能性について解説します。
- この記事の監修
2018年アンファー株式会社商品開発課に中途社員として入社。
これまでの経歴としては美容師/美容商品の営業などを経験。
そんな経験を活かし入社後担当したブランドは
男性商品となる「スカルプDブランド」や新規ブランド「DISM」の立ち上げ、
また「スカルプD オーガニックブランド」を担当。
現在は女性商品となる「スカルプDボーテブランド」の商品開発を担当。
ストレスはフケの原因
ストレスは万病の元といわれますが、フケが増加する原因の一つでもあります。ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、以下3つの現象が起こりやすくなるためです。
- 血行不良
- 皮脂の過剰分泌
- 免疫力の低下
はじめに、ストレスによりフケが増える原因について解説します。
血行不良
ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、自律神経のうち交感神経が優位に傾き血管収縮を引き起こします。
血管が収縮すると血行不良によりターンオーバーの周期が乱れやすくなります。
ターンオーバーの周期は年齢×1.5日が目安ですが、ストレスにより周期が長くなったり短くなったりすると、フケが増えやすくなるのです。
ターンオーバーの周期が長くなり、本来であれば剥がれ落ちる角質に皮脂が混じると、ベタベタとした粒の大きな脂性フケが目立ちやすくなります。
反対に、ターンオーバーの周期が短くなり未熟な表皮細胞まで剥がれ落ちると、カサカサとした粒の小さな乾性フケが目立つようになります。
皮脂の過剰分泌
大手化粧品メーカーの調べによると、ストレスにより皮脂の分泌量が増加すると分かっています。
ストレスが蓄積するとホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌を司る男性ホルモンが増加するためです。
皮脂が過剰に分泌されると、頭皮から剥がれ落ちた角質と混じり合い、脂性フケの増加リスクを高めるため注意が必要です。
女性の体内では、卵巣や副腎で男性ホルモンの一種であるテストステロンが分泌されます。
男性に比べると1/10~1/20の量に過ぎませんが、女性ホルモンの分泌量が減少すると、体内の男性ホルモンが相対的に増加します。
そのため、女性ホルモンの分泌量が減少しやすい出産後や更年期は、特に皮脂の過剰分泌に気を付けなければなりません。
免疫力の低下
ストレスでフケが増える原因の1つが、自律神経のバランスの乱れにより免疫力が低下するためです。
免疫は人間の身体に備わった機能の1つで、何らかの感染症や病気、望まない外部の侵入者を回避するための生物的な防御力です。
例えば一度「はしか」にかかると、多くの方が2度は発症しなくなりますが、この状態を「免疫ができた」と表現します。
しかし、ストレスにより免疫力が低下すると、何度でも同じ症状を引き起こすケースもあるため気を付けなければなりません。
免疫力が低下すると頭皮の常在菌であるマラセチアが異常繁殖し、頭皮環境の悪化によりフケを生じやすくなります。
ストレスによるフケの治し方
ストレスによるフケの治し方としては以下が挙げられます。
- ストレスをため込まない
- 薬用シャンプーを使用する
- 1日1回髪の毛を洗う
- 規則正しい生活を送る
- 食事の栄養バランスを見直す
上記の方法に積極的に取り組み、フケを根本的に改善するのがおすすめです。
ストレスをため込まない
ストレスがフケの原因と考えられるのであれば、根本的に解決するためにはストレスを減らす必要があります。
忙しい現代人にとって完全にストレスを回避するのは困難なため、以下の方法でストレスの軽減に取り組みましょう。
- お風呂にゆっくりと浸かる
- テレビのバラエティ番組などを見て大笑いする
- 好きな音楽を聴いてリラックスする
- ストレッチで心身の緊張を緩める
- 気のおけない友人とおしゃべりを楽しむ
ストレス状態を緩和するためには、リラックスしたり楽しい気分になったりするのがおすすめです。
自分に合った方法でストレスと上手に付き合いましょう。
薬用シャンプーを使用する
薬用シャンプーは医薬部外品に分類されるヘアケアアイテムの一種で、化粧品に分類される一般的なシャンプーとは含まれている成分が根本的に異なります。
一般的なシャンプーの目的は頭皮や髪の毛の洗浄ですが、薬用シャンプーの目的は頭皮環境の維持・改善です。
薬用シャンプーには以下に代表される、頭皮の健康を保つのに効果的な成分が含まれています。
抗炎症 | 血行促進 | 抗菌 |
---|---|---|
・グリチルリチン酸ジカリウム ・セイヨウアカマアツ ・クロベタゾール プロピオン酸エステルなど |
・酢酸DL-α-トコフェロール ・アデノシン ・カプサイシン ・センブリエキスなど |
・ピロクトンオラミン ・ミコナゾール硝酸塩 ・サリチル酸など |
上記の成分を配合したシャンプーを使うと、ストレスにより乱れがちな頭皮環境を整え、フケを予防する効果が期待できます。
1日1回髪の毛を洗う
ストレスが蓄積して心身ともに疲労すると、入浴する気力がなくなるケースもありますが、フケを減らすには1日1回髪の毛を洗いましょう。
丁寧に髪の毛や頭皮を洗うことは血行を促進したり、皮脂・汚れを落としたりして、頭皮環境を良好に保ちやすくなります。
シャンプーの際に頭皮をゴシゴシ擦ると炎症を起こし、かえって頭皮環境を悪化させる恐れがあります。
頭皮マッサージを行うイメージで、指の腹で頭皮を動かすように優しく洗うのがポイントです。
また、洗い残しがあると雑菌が繁殖する温床となるため、洗い終えたらしっかりとすすぐようにしましょう。
規則正しい生活を送る
ストレスにより乱れた自律神経を整えるためには、規則正しい生活を送るのがとても大切です。
毎日決まった時間に就寝・起床を行い、体内のリズムを一定に保つよう心がけましょう。
朝日を浴びると体内時計がリセットされ、質の良い睡眠をとりやすくなるためおすすめです。
睡眠の質を高めるためには、日中に適度に身体を動かしたり、お風呂で温まってリラックスしたりする方法もあります。
食事の栄養バランスを見直す
ストレスにともなう反動でやけ食いすると、皮脂の過剰分泌によりフケが増える可能性があります。
反対に、不安や心配ごとがある際に食事がのどを通らないケースもありますが、栄養不足も頭皮に悪影響をおよぼします。
栄養バランスのとれた食事を摂取すると免疫機能が正常に保たれ、ストレスに強い身体を作る効果が期待できるでしょう。
なかでもビタミンAやビタミンCにはストレスへの抵抗力を高める働きがあると考えられているため、日常的に積極的に摂取するのがおすすめです。
ストレスでフケが出るのは病気の可能性も
生活習慣やヘアケアの見直しでフケが減らない方は、以下の病気を発症している可能性があります。
- 粃糠性脱毛症
- 脂漏性皮膚炎
上記の病気が疑われる方は、速やかに医療機関を受診してください。
粃糠性脱毛症
頭皮が乾燥してかゆみがあり、白っぽくて粒の小さなフケが出ている方は、粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)を発症している可能性があります。
粃糠性脱毛症は、粒の小さなカサカサとしたフケが毛穴に詰まって炎症を起こし、抜け毛を引き起こす病気です。
フケはだれにでも見られる生理現象の一種ですが、粃糠性脱毛症を発症すると頭皮を覆うほどのフケが出ます。
肩口や襟首に白いフケが目立つ方は、粃糠性脱毛症を発症していないか確認する必要があります。
原因としてはストレスや肌質に合わないシャンプー、頻繁なパーマやヘアカラー、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
脂漏性皮膚炎
頭皮がベタついていて、黄色く粒の大きなフケが出ている方は、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)を発症している可能性があります。
脂漏性皮膚炎は常在菌の一種であるマラセチアが異常に繁殖し、頭皮に炎症を起こす病気です。
原因としてはストレスやシャンプーの洗い残し、ビタミンB不足などが挙げられます。
フケとストレスに関するよくある質問
フケとストレスに関しては、以下の疑問を持つ人も多いでしょう。
- ストレスによるフケを放置すると抜け毛が増える?
- ストレス以外のフケの原因は?
同じような疑問や不安をお持ちの方は参考にしてください。
ストレスによるフケを放置すると抜け毛が増える?
フケが大量に出るような頭皮環境を長期間放置していると、抜け毛につながる恐れがあります。
フケが出ているのは、頭皮環境が悪化しているサインです。
ただちに抜け毛が増える訳ではありませんが、そのままにしておくと抜け毛リスクが増加するでしょう。
ストレス以外のフケの原因は?
ストレス以外のフケの原因としては以下の例が挙げられます。
- 洗髪不足
- 頭皮の洗いすぎ
- 皮脂の過剰分泌
- ホルモンバランスの乱れ
- 頭皮の乾燥
- アレルギーなど
フケはストレス以外にもさまざまな原因により発生する可能性があります。
対策方法は原因ごとに異なりますが、生活習慣を整えて丁寧にヘアケアする必要がある点は共通しています。
習慣を見直してストレスによるフケを改善しましょう
ストレスの蓄積で自律神経のバランスが乱れると、血行不良や皮脂の過剰分泌、免疫力の低下によりフケが出やすくなります。
ストレスによるフケを改善するためには原因となるストレスを取り除くだけでなく、生活習慣やヘアケアの見直しも欠かせません。
できるだけ早寝早起きを心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂取、自分なりのストレス解消法を実践しましょう。
セルフケアでフケが減らない方は、粃糠性脱毛症や脂漏性皮膚炎を発症している可能性も疑われるため、速やかに医療機関を受診するのがおすすめです。
ストレスの自覚がありフケが増えている方は、生活習慣や食習慣、睡眠習慣を見直してフケを改善しましょう。
- この記事の監修
2018年アンファー株式会社商品開発課に中途社員として入社。
これまでの経歴としては美容師/美容商品の営業などを経験。
そんな経験を活かし入社後担当したブランドは
男性商品となる「スカルプDブランド」や新規ブランド「DISM」の立ち上げ、
また「スカルプD オーガニックブランド」を担当。
現在は女性商品となる「スカルプDボーテブランド」の商品開発を担当。


薄毛・抜け毛・切れ毛の
FAQ記事
-
【 毛髪診断士監修 】Q.女性の薄毛は生活習慣の改善で治る?
女性の薄毛は、生活習慣とも深い関係があります。では、どのように改善していけばよいのでしょうか?今回は、
-
【 毛髪診断士監修 】Q.薄毛に睡眠が効果的って本当?
薄毛と睡眠には深い関係があります。もし薄毛が気になるのであれば、睡眠を見直すことで改善できるかもしれ
-
【 毛髪診断士監修 】Q.薄毛の対策として運動は効果的?
薄毛対策の1つとして、運動を生活の中に組み込むのはおすすめです。特に有酸素運動には血行を良くしたり、
-
【 毛髪診断士監修 】Q.ヘアサイクル(毛周期)とは?
ヘアサイクルによって、髪は生えて伸びていき、抜けるという周期を繰り返しています。このヘアサイクルが乱れてしまうと、
-
【 毛髪診断士監修 】Q.高校生でも薄毛になることはある?
高校生でも薄毛になる可能性があります。なぜ薄毛になってしまうのか気になりますよね。また高校生で薄毛になって
-
【 毛髪診断士監修 】Q.切れ毛がひどい原因とは?
切れ毛や枝毛を発見したら、早めに対処したいですよね。そこで今回は、切れ毛や枝毛ができるメカニズムや原因、そして
-
【 毛髪診断士監修 】Q.飲酒は女性の薄毛の原因になる?
飲酒は女性の薄毛に影響を及ぼします。そこで今回は、飲酒が薄毛の原因となる理由や関係性について紹介します。また、飲酒
よくある質問
女性の薄毛の原因はさまざまですが、主に加齢・女性ホルモンの減少・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。いくつかの原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の薄毛の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いです。まず、病院で原因を詳しく調べてもらう事が、薄毛の原因を知るためには大切です。
髪の毛はもともとケラチンとたんぱく質から成ります。過度のダイエットにより、毛や爪など皮膚の最外層を形成している角層の合成に不可欠な微量金属の、腸からの吸収ができなくなります。そうすると、毛は伸びない、爪も伸びず、薄くやわらかくなります。皮膚もカサカサになって、輝きがなくなります。上記のように、過度のダイエットで体内だけでなく髪にも栄養が行き渡らなくなり、その結果として抜け毛がおこり、髪が細くなる(薄毛になる)といった症状が現れる場合があります。
妊娠中は出産準備のために分泌される女性ホルモンの影響で、成長期が終わるはずの髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなります。しかし、出産後はホルモンのバランスが急激に通常の状態に戻ります。そのため、寿命が延長されていた毛髪が突然休止期に入ることにより、一時的に抜け毛が多くなります。これは出産後約6ヶ月を過ぎると、徐々に回復していくようになります。
遺伝的要素は誰にでもあります。実際に「薄毛」が遺伝するのではなく、「薄毛」になりやすい体質が遺伝し、その家系の生活習慣などが遺伝的要素として影響する(薄毛になる)と言われています。
現在のところ円形脱毛症の原因ははっきりとしていません。原因としては、「自己免疫疾患」、「精神的ストレス」、「内分泌異常」、「遺伝的素因」等が考えられます。「自己免疫疾患」という説が有力ですが、精神的ストレスがきっかけの誘因になるのかもしれません。自己免疫は、外部からの侵入物を攻撃することにより、私達の身体を守っています。自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症においては、Tリンパ球が毛根を外敵と間違えて誤った攻撃命令を出すことによって起きるとされています。「T リンパ球」とは、体の中に侵入してきた有害な細菌やウィルスといった外敵を身体の細胞と区別して命令を出す細胞です。一度攻撃が始まってしまうと、多くの Tリンパ球が毛根に集まり激しい攻撃を繰り広げます。そのため毛根が破壊され、正常で元気な女性の髪の毛でさえ、突然抜け落ちてしまいます。
育毛剤の使用や、パーマでボリュームを出したり、カラーリングなどで目立たなくする事は可能です。薄毛の場合は原因にもよりますが、加齢によるものや、ホルモンバランスの変化などは、円形脱毛症とは違いますから自然と治る事はまず無いと考えて、専門医師の受診をお勧めします。
筋肉が凝って硬くなると、周辺の血液の流れが悪くなり髪に必要な栄養分がきちんと行き渡らなくなります。その結果、血行不良を起こし、薄毛や抜け毛をまねきますので軽い運動やストレッチで血行を良くするように心がけましょう。
まずは加齢現象の一つと思ってください。髪の毛は毛球のなかにある毛乳頭細胞でつくられています。そのなかには髪の毛の色を決める色素細胞が含まれています。この色素細胞でつくられたメラニン色素が、毛の中に送り込まれ髪の毛に色がつきます。ところが、色素細胞の加齢現象により機能が低下し時には消失してしまいます。そうすると色素を持たない髪の毛が白髪になると言われています。
パーマ、カラーリングともに、いくら技術が進歩したとはいえ髪にダメージを与えます。そして抜け毛の原因となるのが、パーマ液や毛染め剤が頭皮にもたらす影響です。髪の傷み自体は抜け毛の直接の原因にはなりませんが、痛んだ頭皮が髪に悪影響を与え、抜け毛の原因につながることがあります。
あなたにおすすめ記事
-
【 毛髪診断士監修 】女子中学生の抜け毛の原因とは?
増加傾向にある女子中学生の抜け毛 学校や部活、塾など多忙な生活を送る中で、女子中学生が抜け毛に悩むケースも多く […]
-
【 毛髪診断士監修 】毛先が白くポツポツと点が!毛先が白くなるのは切れ毛のサインって本当ですか?
毛先に白いポツポツが見える場合、切れ毛や枝毛になっています。毛先が白くなる仕組みやカラーリングなどの […]
-
【 毛髪診断士監修 】頭頂部の短い毛髪は切れ毛によるものですか?
切れ毛だけでなく、健康な髪が育っていない可能性があります 頭のてっぺんから生える、ツンツンとした短い髪は、意外 […]
-
【 毛髪診断士監修 】女性で多い手ぐしで抜け毛をチェックする癖は危険?
女性で行う方も多い手ぐしは抜け毛を進行させる悪癖です 手ぐしで抜け毛をチェックする癖は、確実に抜け毛を悪化させ […]
-
【 毛髪診断士監修 】髪が多い人は女性ホルモンが多い?
女性ホルモンの分泌量は髪の量や質に影響を与えます 女性ホルモンは髪を増やす、という話はよく耳にします。 確かに […]
RANKINGランキング
最終更新日:
-
【 毛髪診断士監修 】頭皮にできるゴマのような粒、フケとは違うの?
-
【 毛髪診断士監修 】頭皮がボコボコでかゆい!リンパが原因って本当ですか?
-
【 毛髪診断士監修 】女子中学生の抜け毛の原因とは?
-
【 毛髪診断士監修 】毛先が白くポツポツと点が!毛先が白くなるのは切れ毛のサインって本当ですか?
-
【 毛髪診断士監修 】ブリーチをするとフケが出ることがあるというのは本当?
NEW新着
-
【 毛髪診断士監修 】頭皮のカビがフケやかゆみ、臭いの原因に?カビが生えるメカニズムと対策方法
-
【 毛髪診断士監修 】女性ホルモンと髪の密接な関係とは?薄毛や抜け毛の予防と対策
-
【 毛髪診断士監修 】髪の毛が細くなってしまった!原因とシャンプーや生活習慣での対策について
-
【 毛髪診断士監修 】分け目が薄いのが気になる…!その理由と取るべき対策を解説
-
【 毛髪診断士監修 】頭皮がかゆいのはなぜ?フケが出る原因や改善方法についても解説