秋の抜け毛はなぜ多い?本数とひどくなる原因&いつまで続くのか
掲載日:2025.01.21 更新日:2025.01.21

秋になると増える抜け毛に悩む女性は少なくありません。中には11月~12月まで抜け毛量の増加が続くケースもありますが、真冬になると落ち着くのが一般的です。この記事では秋の抜け毛が増える原因や予防するために見直したい生活習慣、および病気の可能性について解説します。
- この記事の監修

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。
秋の抜け毛の本数は1日200本以上
個人差はありますが、健康的な方の1日の抜け毛はおよそ50~100本とされています。
100本と聞くと多いと思われるかもしれませんが、平均的な日本人の毛髪は10万本のため、100本抜けてもたったの0.1%です。
しかし、秋になると1日の抜け毛が200~300本に達するケースも珍しくありません。
秋の抜け毛量の増加は多くの方に見られるため、一時的な増加であれば過度に心配する必要はないでしょう。
ただし、抜け毛量の増加は季節のせいだけでなく、さまざまな原因が複雑に絡み合った結果として起こるため、不安がある方は早めに対策を講じるのがおすすめです。
秋の抜け毛はいつまで続く?
秋の抜け毛量増加は9月から10月にかけてピークを迎えますが、なかには11月~12月まで抜け毛が続く方もいます。
季節の変わり目が過ぎて、気温が完全に下がった冬になると落ち着く傾向にあります。
秋の抜け毛が止まらないときは
抜け毛の量がいつまでたっても減らない方は、季節的な要因で抜け毛を引き起こしているのではなく、何らかの脱毛症を発症している可能性があります。
女性に多く見られる脱毛症の種類は以下の通りです。
- びまん性脱毛症
- 女性男性型脱毛症
- 牽引性脱毛症
- 分娩後脱毛症
- 粃糠性脱毛症
- 円形脱毛症
脱毛症を発症するとヘアサイクルの周期が短くなります。
生涯に繰り返されるヘアサイクルには上限があるため、脱毛症を放置すると薄毛になる恐れがあります。
あまりにも長期にわたり1日に100本以上の抜け毛が見られる方は、早めに専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
秋に抜け毛が増える原因
秋に抜け毛が増えるのは当たり前の現象ですが、以下の原因によりいっそう抜け毛が増えることもあります。
- 夏に受けた紫外線
- 夏バテの影響
- ストレス
- 寒暖差
- 乾燥
秋になると抜け毛が増える方は、思い当たる点がないかチェックしてみましょう。
夏に受けた紫外線
秋に抜け毛が増える原因の1つが、夏に受けた紫外線によるダメージの蓄積です。
紫外線のダメージを受けた頭皮は光老化によって硬くなり、毛根の働きが弱くなるなどして髪の毛の成長を阻害します。
また、紫外線には物質を破壊する強力な力があり、夏の日差しを浴びすぎると髪の毛の内部にまでダメージが加わり、秋になると抜け毛が起こりやすくなります。
夏バテの影響
夏になると暑さのあまり夏バテして食欲が衰え、サッパリしたメニューが増える方もいるのではないでしょうか。
たとえば、そうめんや冷や麦などサッパリした麺類ばかり食べていると、栄養不足になってしまう恐れがあります。
栄養不足状態が続くと髪の毛の成長に必要なエネルギーが不足するため、秋ごろに抜け毛が起こりやすくなります。
髪の毛を作るためにはタンパク質を摂ることが重要で、良好な頭皮環境を維持するためにはミネラル・ビタミンなどの栄養が欠かせないと知っておきましょう。
ストレス
秋は転勤や子どもの新学期などがあり、生活の変化によりストレスを感じる場面が多い季節です。
特に女性は男性に比べてストレスを感じやすいとされているため、ストレスによる抜け毛には注意が必要です。
ストレス状態が続くと自律神経のうち交感神経が優位になり、血管が収縮して血行不良を引き起こしやすくなります。
血行不良により頭皮に送られる栄養が不足すると、髪の毛の成長が阻害されて抜け毛リスクを高める結果となります。
寒暖差
9月中旬になると日中はまだまだ暑いですが、朝晩の気温が下がる日が増えてきます。
日中と朝晩の寒暖差が大きいと、自律神経のうち交感神経が優位に傾きやすくなります。
交感神経が優位になると血行不良を引き起こし、抜け毛リスクを高める点については前述の通りです。
秋口になると寒暖差でアレルギーが出る方は、抜け毛にも特に注意する必要があるでしょう。
乾燥
秋になると日本列島が中国で発生した高気圧に覆われ、空気が乾燥しやすくなります。
天高く馬肥える秋といわれるのも、秋になると大気中に含まれる水蒸気量が減少し、空が澄んで見えるようになるためです。
夏に比べると過ごしやすい日が増える秋ですが、湿度が低下すると頭皮の乾燥を招く可能性があると知っておきましょう。
頭皮が乾燥すると肌を守るバリア機能が損なわれ、少しの刺激により炎症を起こすなどして抜け毛リスクが高くなります。
また、乾燥した環境では髪の毛自体の保水力も低下するため、少しのダメージで切れ毛や抜け毛が起こりやすくなります。
秋の抜け毛を防ぐ生活習慣
秋になると決まって抜け毛が増える方は、以下の生活習慣の見直しで抜け毛を予防するのがおすすめです。
- 運動を継続する
- 食事で必須アミノ酸を摂る
- 頭皮の乾燥を防ぐ
まずはどれかひとつ、自分の生活に取り入れやすい習慣から始めましょう。
運動を継続する
適度な運動はストレス発散や寒さによる血行不良の改善に役立ちます。
気温が下がり始める秋は、暑い夏や寒い冬と比べても運動に適した季節と言えます。
自分にできる範囲で無理のない運動を毎日継続すると、抜け毛の防止につながるため積極的に取り組むのがおすすめです。
無理なく続けられる運動の例としては、以下が挙げられます。
- ストレッチ
- ウォーキング
- 踏み台昇降
- 散歩
- つま先立ち
ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれており、つま先立ちでかかとを上げ下げするだけでも血行促進効果が得られます。
仕事が忙しくて運動に取り組む時間がない方は、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うなど工夫しましょう。
食事で必須アミノ酸を摂る
必須アミノ酸はタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内では合成できない9種類のアミノ酸です。
髪の毛の原料となるケラチンは主にタンパク質により作られているため、タンパク質を構成するアミノ酸の摂取は、健康な髪の毛の成長に欠かせません。
日常的に以下の食品を毎日の献立に取り入れ、髪の毛の健康を保つよう心がけましょう。
- 鶏卵
- レバー
- 乳製品
- 青魚
- 大豆製品など
また、アミノ酸だけでなくビタミンやミネラルも髪の毛の成長に欠かせないため、普段から野菜や海藻などもバランスよく摂取するのがポイントです。
頭皮の乾燥を防ぐ
秋の乾燥による抜け毛を防ぐためには、毎日の頭皮ケアが重要です。
洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮を守るべき皮脂膜まで洗い流してしまうため、洗髪後につっぱりを感じる方はアミノ酸系のマイルドなシャンプーにするのがおすすめです。
シャンプーの後には専用のローションや育毛剤で保湿を行い、頭皮にうるおいを与えましょう。
部屋の空気が乾燥しているようであれば、加湿器を使って湿度を40~60%に保つのも効果的です。
早めの対策で秋の抜け毛を減らす
日本人の髪の毛はおよそ10万本とされており、毎日50本から100本の抜け毛は当たり前のように見られる生理現象の一種です。
秋になると空気の乾燥や自律神経のバランスの乱れなどが原因で、1日に200本から300本の抜け毛が見られるケースも珍しくありません。
抜け毛量の増加が一時的であれば過度に心配する必要はありませんが、不安な方は頭皮ケアのやり方や生活習慣を見直してみましょう。
髪の毛の成長に必要な必須アミノ酸を積極的に摂取し、適度な運動で血行を促進するのがポイントです。
早めの対策で秋の抜け毛を減らすよう努力し、セルフケアで改善できない方は専門のクリニックに相談してみてください。
- この記事の監修

日本毛髪科学協会 毛髪診断士
吉田 愛(よしだ あい)
2015年アンファー株式会社入社。スカルプDのマーケティング、経営企画を経験。
2019年から商品開発に従事し、スカルプD ボーテブランドの商品開発責任者を担当。


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よくある質問
女性の薄毛の原因はさまざまですが、主に加齢・女性ホルモンの減少・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。いくつかの原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の薄毛の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いです。まず、病院で原因を詳しく調べてもらう事が、薄毛の原因を知るためには大切です。
髪の毛はもともとケラチンとたんぱく質から成ります。過度のダイエットにより、毛や爪など皮膚の最外層を形成している角層の合成に不可欠な微量金属の、腸からの吸収ができなくなります。そうすると、毛は伸びない、爪も伸びず、薄くやわらかくなります。皮膚もカサカサになって、輝きがなくなります。上記のように、過度のダイエットで体内だけでなく髪にも栄養が行き渡らなくなり、その結果として抜け毛がおこり、髪が細くなる(薄毛になる)といった症状が現れる場合があります。
妊娠中は出産準備のために分泌される女性ホルモンの影響で、成長期が終わるはずの髪の毛の寿命が長くなり、抜け毛が少なくなります。しかし、出産後はホルモンのバランスが急激に通常の状態に戻ります。そのため、寿命が延長されていた毛髪が突然休止期に入ることにより、一時的に抜け毛が多くなります。これは出産後約6ヶ月を過ぎると、徐々に回復していくようになります。
遺伝的要素は誰にでもあります。実際に「薄毛」が遺伝するのではなく、「薄毛」になりやすい体質が遺伝し、その家系の生活習慣などが遺伝的要素として影響する(薄毛になる)と言われています。
現在のところ円形脱毛症の原因ははっきりとしていません。原因としては、「自己免疫疾患」、「精神的ストレス」、「内分泌異常」、「遺伝的素因」等が考えられます。「自己免疫疾患」という説が有力ですが、精神的ストレスがきっかけの誘因になるのかもしれません。自己免疫は、外部からの侵入物を攻撃することにより、私達の身体を守っています。自己免疫疾患では、この免疫機能に何らかの異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症においては、Tリンパ球が毛根を外敵と間違えて誤った攻撃命令を出すことによって起きるとされています。「T リンパ球」とは、体の中に侵入してきた有害な細菌やウィルスといった外敵を身体の細胞と区別して命令を出す細胞です。一度攻撃が始まってしまうと、多くの Tリンパ球が毛根に集まり激しい攻撃を繰り広げます。そのため毛根が破壊され、正常で元気な女性の髪の毛でさえ、突然抜け落ちてしまいます。
育毛剤の使用や、パーマでボリュームを出したり、カラーリングなどで目立たなくする事は可能です。薄毛の場合は原因にもよりますが、加齢によるものや、ホルモンバランスの変化などは、円形脱毛症とは違いますから自然と治る事はまず無いと考えて、専門医師の受診をお勧めします。
筋肉が凝って硬くなると、周辺の血液の流れが悪くなり髪に必要な栄養分がきちんと行き渡らなくなります。その結果、血行不良を起こし、薄毛や抜け毛をまねきますので軽い運動やストレッチで血行を良くするように心がけましょう。
まずは加齢現象の一つと思ってください。髪の毛は毛球のなかにある毛乳頭細胞でつくられています。そのなかには髪の毛の色を決める色素細胞が含まれています。この色素細胞でつくられたメラニン色素が、毛の中に送り込まれ髪の毛に色がつきます。ところが、色素細胞の加齢現象により機能が低下し時には消失してしまいます。そうすると色素を持たない髪の毛が白髪になると言われています。
パーマ、カラーリングともに、いくら技術が進歩したとはいえ髪にダメージを与えます。そして抜け毛の原因となるのが、パーマ液や毛染め剤が頭皮にもたらす影響です。髪の傷み自体は抜け毛の直接の原因にはなりませんが、痛んだ頭皮が髪に悪影響を与え、抜け毛の原因につながることがあります。
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