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【医師監修】女性の抜け毛はどこから危険!?抜け毛の原因や対策まで専門家が徹底解説!

掲載日:2022/04/20 最終更新日:

この記事の監修者

浜中聡子先生

クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(旧Dクリニック東京 ウィメンズ) 院長。北里大学医学部卒業。医学博士。
女性ホルモンに着目した丁寧な診察とライフスタイルを含めたアドバイスで、悩める女性たちから高い信頼を得ています。

最近シャンプーのたびに抜け毛が気になる……。そんなお悩みを持つ女性は多いのではないでしょうか。そもそも髪の毛はどれくらい抜けると危険なの?抜け毛の原因と対策は?そんな疑問に専門医がお答えします!皆さんと同じような悩みを持つOさんと一緒に、抜け毛について正しい知識を学んでいきましょう。

【インタビュアー】

Oさん

年齢:30代(女性)
肌質:乾燥肌
悩み:頭皮の乾燥、かゆみがたまにある。
最近、分け目が以前より薄くなったような気がして悩んでいるアラサー女子。一度気に入ったヘアスタイルは、なかなか変えないことが多い。2ヶ月に一度ほどのペースでヘアカラーをしている。

あなたの抜け毛はどの程度?まずは進行度をチェック!

浜中先生、抜け毛と言ってもいろいろな程度がありますよね。自分の抜け毛がちょっと危険なレベルだなってチェックできるポイントはありますか?

抜け毛の進行具合は髪の毛の様子と頭皮の様子から確認できます。具体例のリストを作ってみたので当てはまるものがあるか確認してみてくださいね。

【髪の毛の様子】

  • 抜け毛の本数が明らかに増えた
  • 全体的にボリュームがなくなった
  • 細く柔らかい抜け毛が増えた
  • ハリ・コシがなくなった
  • パサついている
  • くせ毛が増えた

【頭皮の様子】

  • フケやかゆみの症状がある
  • 頭皮がべたつく/かさつく

髪の毛は正常な状態でも1日80~100本ほど抜けます。抜け毛が怖くてシャンプーを2日に1度にしても、その1回で2日分抜けるだけです。2日ぶりにシャンプーしたらどっさり抜けた!と慌てないようにね。
ただし、洗面器や排水溝に落ちる抜け毛が明らかに増えていると感じ、それが続いたときには要注意ですね。抜け毛と合わせて、髪や頭皮の状態そのものが変化している場合も黄色信号ですよ。

いくつか当てはまるものがあります……。
このチェック数が多いほどよくない状態ということですか?

チェック数が多いほど髪や頭皮の状態がよくないといえばそうなのですが、1つのチェックでも長く気になる状態が続いていればそれもやはり心配な状態です。早急に対策を始めましょう。

女性の抜け毛の主な種類と原因を解説!

女性の抜け毛の原因は複数あり、重なっている場合もあります。
ひとつひとつ解説していきますね。

加齢による脱毛

加齢に伴い、血流とホルモン分泌量が低下すると抜け毛が増えます。この加齢による脱毛症で代表的なものはびまん性脱毛症です。その他に加齢で起こる脱毛症としてFAGAがあります。この脱毛症は閉経前や閉経後の女性に多く見られます。びまん性脱毛症が頭頂部からすだれ状に薄毛が進行するのに対し、FAGAはおでこの生え際が後退するように薄毛が進行します。

女性ならではの脱毛

髪の同じ場所を引っ張り続けることで起きるけん引性脱毛症は女性に多い脱毛症です。髪を強く結ぶことやしっかりとセットすることで髪に負荷がかかりやすい傾向にあります。産後脱毛症も女性ならではの脱毛ですね。産後に急激にホルモン量が減少することで一時的に脱毛量が増大します。
どちらの脱毛症も原因が解消されればもとに戻るタイプの脱毛です。

環境要因による脱毛

髪や頭皮がさまざまな環境下でダメージを受けると、抜け毛につながる恐れがあります。紫外線によるダメージや誤ったヘアケアによる脱毛がここに入りますね。カラーやパーマの繰り返しにより髪に強い負担がかかり脱毛が増えるという例もあります。また、栄養不足やストレスにより髪に栄養が行き届かない状況や薬の副作用なども広く環境要因になるでしょう。いずれも原因となっている環境をあらためることが改善のきっかけとなります。

【女性の抜け毛対策1】ヘアケア編

女性の抜け毛の原因っていろいろあるんですね……。原因が分かったところで対策を知りたいのですが、原因によって対策も違うのでしょうか?

そうですね、原因別の対策というのももちろんあるのですが、どんな原因であったとしても髪や頭皮にとって行った方が良いことというものがあります。そのような髪や頭皮の健康を支える基本的な対策をご紹介していきますね。

ヘアケア選び

ヘアケア用品は自分の頭皮や髪に合ったものを選ぶことが大切です。
髪や頭皮の状態は夜洗髪した直後、翌朝、夕方で変化します。それぞれのタイミングで髪や頭皮の状態をチェックし、洗髪後に健やかな状態にリセットできていればそのヘアケア用品は合っていると言えます。
髪質や皮脂量は加齢によっても変化します。その都度髪の状態をチェックして合うものに変えていきましょう。

ブラッシング

乾いた状態の髪の毛を毛先から優しくブラッシングします。強くとかすのはNGです。また、濡れている髪は弱いため濡れた状態でとかすのはやめましょう回数は1日1回、シャンプーの前に行いましょう
ブラシは粗目のものがよいですね。細めのブラシだと静電気が発生しやすく髪を傷めることがあります。ブラシそのものを清潔に保つことも大切。ヘアオイルや髪、ほこりなどで汚れやすいので定期的にお手入れしましょう。

シャンプー方法

まず頭皮と髪をお湯でよく濡らし、よく泡立てから洗いましょう。シャンプーの力加減は指の腹で、頭皮が動く程度が丁度よいですね。ゴシゴシ強く洗ってはいけません。すすぐ際は毛の流れに逆らうようにシャワーを当てて泡の流し残しがないようにすすぎましょう。シャワーの温度は38℃程度くらいで。熱すぎると必要な皮脂まで落としてしまうので気をつけてください。

ドライヤー

まずはタオルドライをしっかり行い、ドライヤーを当てる時間が極力短くなるようにしておきましょう熱を当てることは基本的に髪や頭皮に負担をかけます。ただ自然乾燥による生乾きも雑菌の繁殖や臭いのもとです。手早くしっかり、がポイント。ドライヤーを頭から10㎝~20㎝離して、同じ場所に2秒以上あてないように調節します。髪の根本から風を当て、頭皮を乾かすように行ってください。仕上げは冷風にすると髪や頭皮のダメージを減らせますよ。

ヘアスタイル

分け目やヘアスタイルをこまめに変えることで頭皮の同じ場所に負担がかかり続けるのを防げます。ターバンやカチューシャを活用し、分け目をつけないヘアスタイルにするのもよいですね。また、おしゃれのためにヘアアイロンを毎日繰り返すとやはり髪への負担は増えます頻度が多いなと思ったらお休みするなどの工夫をしてみてください。

【女性の抜け毛対策2】日常生活編

日々のヘアケアでも気をつける事は結構ありましたね。
髪や頭皮のこと以外で、抜け毛対策として日常的にできることはありますか?

これをひとつやれば抜け毛が収まる、というものはありませんが、継続してやっていただきたいことはいくつかあります。では日常生活編、解説していきますね。

食生活に気を付ける

髪の主成分はケラチンというたんぱく質の一種です。まずはこの髪の元となるタンパク質を肉、魚、大豆などから摂ることが大切です。献立はタンパク質をベースに髪に良いとされるビタミンやミネラルを含む食材を追加していきましょう。ノリやワカメなどはビタミンやミネラルが豊富ですが、単品で摂ってもあまり効果がありません
油脂を多く含む食品や揚げ物などの高脂肪食はできれば減らすのが良いでしょう。マウスの実験では脱毛を促進するという報告もあります。

質の良い睡眠をとる

睡眠は時間も大切ですが、質も大事です。質の良い睡眠を得るために環境を整えましょう。湿度や温度を調節し、部屋は真っ暗にします。PCやスマホのブルーライトは質の良い眠りを妨げますので寝室にスマホを持ち込まないのがよいでしょう。眠りに集中できる環境をつくることがポイントです。
ある程度必要な睡眠時間を確保していないと質も確保できませんので、遅くとも日付が変わるまでには寝るように心がけましょう。

定期的に運動をする

運動することで体中の血液の循環がよくなり、頭皮の血行もよくなります。栄養は血液に乗って届けられるので、頭皮の血行がよくなると髪に必要な栄養素がしっかり行き渡るのです。ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動を毎日続けるのがより効果的です。あまり激しい運動でなくて結構です。
適度に体を疲れさせることは、ストレス発散や質の良い睡眠にもつながります

喫煙・飲酒を控える

タバコに含まれるニコチンには体内の血管を収縮する作用があります。そのため喫煙をすると血行が悪くなり、頭皮にも栄養が行き届きにくくなるのです。また体内に取り入れたタバコの成分を分解するためにビタミンが多く消費されます。そのため頭皮に必要なビタミンが足りない状態になってしまうのです。
飲酒も同じく、アルコール分解のために必要な栄養がとられてしまいます。抜け毛が増えてきたと思ったら喫煙・飲酒を控えましょう。

紫外線対策をする

頭皮が紫外線にさらされるとまず心配なのは日焼けによる皮膚トラブルです。薄皮がめくれるなどの外傷があると健康な毛髪が育ちにくくなります。また紫外線は皮膚を老化させ、血流低下を引き起こします。抜け毛が気になったら冬でも紫外線対策を行いましょう。帽子や日焼け止めで頭皮を守ってあげてください。髪そのものも紫外線が当たり続けるとキューティクルが傷みパサつきます。帽子をかぶる時は髪をまとめて入れるなど、頭皮と同じようにケアしてくださいね。

女性の抜け毛の原因はさまざま!毎日の積み重ねで改善しましょう

女性の抜け毛の原因はいろいろなものがあります。すぐに良くなるものや改善に時間がかかるものなど、それぞれ対策も異なるので、まずは自分の抜け毛の原因を特定するところから始めましょう。毎日のヘアケアや生活習慣を改善する中で、段々と改善が見られるはずです。

どのような原因であっても、髪や頭皮の健康を守る生活やヘアケアを心掛けてくださいね。

はい、毎日コツコツとですね!浜中先生、ありがとうございました!

浜中先生からの
ワンポイントアドバイス

  • 抜け毛の頻度が気になったらセルフチェック!病院に相談も◎
  • コンスタントに髪と頭皮に良いことをやっていこう
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